神様のカルテ 0 投稿日:2015年 3月 7日(土)
『神様のカルテ 0』
夏川草介、小学館、2015年3月1日
(小学館のHP)
新たな『神様のカルテ』はここから始まる。
シリーズ300万部突破のベストセラー『神様のカルテ』にまつわる人々の前日譚であり、かつ珠玉の短編集です。栗原一止は、信州にある24時間365日営業の本庄病院で働く内科医です。本作では、医師国家試験直前の一止とその仲間たちの友情、本庄病院の内科部長・板垣(大狸)先生と敵対する事務長・金山弁二の不思議な交流、研修医となり本庄病院で働くことになった一止の医師としての葛藤と、山岳写真家である一止の妻・榛名の信念が描かれます。ますます深度を増す「神カル」ワールドをお楽しみください。
最近、新田・藤原一家の本ばかり読んでいた。少し飽きてきたので気分転換しようかなと思った時、『神様のカルテ 0』新発売の広告がでた。早速、購入、読了。
「0」を「1」の前という意味で使うのはどうも好きになれないがJRの駅にも「0番線」というのがあるのだから誤用でもないのかな。
内容は上の小学館の広告文の通りのもので、この本を読むと『神様のカルテ』シリーズの主要登場人物(栗原一止、榛名、進藤達也、砂山次郎など)の人柄がより鮮明にイメージできるようになる。ほとんどが1,2,3で思い描いてきたイメージ通りなので意外性がなく少し物足りないような気もする。ただし、榛名はいままでTNが持っていたイメージよりも遙かに「強い芯のある人」という感じ、映画で演じる宮崎あおいは優しすぎるのではとふと思う。
『神様のカルテ』の題名(タイトル)の由来をいろいろ想像していた。映画には映画なりの解釈が提示されていたがなにかしっくりこなかった。やっと著者がその由来を明示した。
「人間にはな、神様のカルテって」もんがあるんだ」
唐突なその声に一止は顔をあげる。
「なんですか?」
冗談かと思ったが、大狸先生はあくまで泰然たる態度だ。
「神様がそれぞれの人間に書いたカルテってもんがある。俺たち医者はその神様のカルテをなぞっているだけの存在なんだ」
声もなく見返す一止に、大狸先生は静かに続ける。
そのあとも大狸先生と一止とのやりとりが続き「大切なことはな、栗ちゃん。命に対して傲慢にならねえことだ。命の形を作りかえることはできねえ。限られた命の中で何ができるかを真剣に考えることだ」で締めくくる。
この本のシリーズを通してのモチーフになっている。良い題名だと思う、「神様のカルテ」は。
でてきた日本酒は「秋鹿」と「信濃鶴」だけ。どちらも大好きです。

2015年3月11日記
『神様のカルテ 0』を読んだので、また1から3も読みたくなった。
記憶に映画の話がまじりあれっと戸惑うこともあったが、結論は本の方が自然で無理がないと改めて思う。
登場する患者は、年齢が62歳、72歳、73歳、82歳、85歳・・・の高齢者たち。71歳の私としては感無量、いつこのような重篤な病気になり死んだとしてもまあ珍しい話ではないのだなあっと。
『神様のカルテ 2』が最も泣かせる場面が多くお気に入りです。『神様のカルテ 3』に登場するベテラン医師小幡奈美のキャラクターが強く印象に残る。研究者としては特異ではないが臨床医としては強烈すぎるキャラクターなんだろうなと思う。地域医療にすべての情熱を注ぎ込んできた栗原一止が大学病院に目を向けるきっかけとなる出逢いとしては納得のストーリーだと思う。
(以下は2013年1月11日の本ブログ記事「神様のカルテ」を一部修正し再録したものです。元記事は消去しました。)
2012年11月29日(木)記
『神様のカルテ』夏川草介著
『外科医 須磨久善』を読んだ後、直ぐ読み出したがなにか迫力がなくだらだらと話がみえないので中断、『ズッコケ・・・』で息抜きしたあとに再挑戦した。段々面白くなり、最後は感動で涙が出そうになった。
神の手や国手と呼ばれる名医ではなく、先端医療でももちろんない。長野県の地方都市の民間大病院で働く青年内科医の物語。この著者も医者らしい。地域医療の難しさがよくわかるが、長野県は鎌田實の諏訪中央病院などで地域医療の先進県とかってに思い込んでいたので意外感有り。
日本酒やワインを飲む場面がいくつかあり飲んでみたい酒がたくさんみつかりました。「白馬錦」、「飛露喜」、「夜明け前」、「佐久の花」そして「五一ワイン」。
2012年12月 5日(水) 記
「飛露喜」が・・・・
昨日、中学以来の親友SFと久しぶりに「はなせ」で飲みしゃべった。SFの高校時代の友人でTNも昔一緒に酒を飲んだことがある憲法学者の鹿児島大学名誉教授 辰村吉康氏が5月になくなったり、◎○が難病にかかったなどで今年は大変だったらしい。70歳を越えるにはやはり大きなバリアがあるらしいと実感。まあ飲酒もほどほどにと悪酔いする前に切り上げた。
生ビール中を1杯づつ、芋焼酎佐藤(黒)4合瓶、日本酒田酒の純米吟醸1合でした。
上の「神様のカルテ」夏川草介著で
< 日本酒やワインを飲む場面がいくつかあり飲んでみたい酒がたくさん みつかりました。「白馬錦」、「飛露喜」、「夜明け前」、「佐久の花」そして「五一ワイン」。>と書きましたが、その「飛露喜」が「はなせ」の日本酒リストにあり、嬉しいと早速注文、しかし品切れでした。「はなせ」でも人気銘柄らしい。福島県の合資会社廣木酒造のお酒です。
2012年12月 9日(日) 記
『神様のカルテ2』
前作『神様のカルテ』に感動し、直ぐに図書館で予約し借り出す。
プロローグで3月初旬の「美ヶ原 王ヶ頭」からの冬山の絶景が描かれ、エピローグとなる6月の御嶽山登山にいたるまでの間に逝ってしまった人たちとの哀しくも優しいふれあいを描く。
美ヶ原、御嶽山、さらに松本からみえる常念岳と山心を刺激する。今年はあまり登れなかったので来年こそ何回も出かけるぞと思う。また、相変わらず銘酒がいっぱいでてきて飲みたい気持ちをあおる。
この本も感動ものでした。早速『神様のカルテ3』を予約、なんと予約順位153だって。いつ読めることやら。
(小学館のHP)
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医師の話ではない。人間の話をしているのだ。
栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。
そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。
新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。かつて“医学部の良心”と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。
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編集者からのおすすめ情報
読んだ人すべての心を温かくする、
39万部突破のベストセラーに、第二弾が登場します。
第一弾は櫻井翔、宮崎あおいの出演で2011年全国東宝系にて、映画化!
2010年本屋大賞第二位。
その前作を遙かに超える感動を、お届けします。
大反響! 発売一週間で4刷、21万部突破!
2013年 1月 4日(金) 記
地域医療
ちょっと違った本もたまにはよいが、馴染みの著者の本はやはり読みやすい。
夏川草介著『神様のカルテ3』を図書館で予約しているが1ヶ月以上待っても、予約順位がまだ132番目、昨年の9月10日に予約した有川浩著「三匹のおっさんふたたび」などは予約順位がまだ144位。正月ぐらいは馴染みの読みたい本を読みたいので、TN&TNの読みたい順位が一番高い『神様のカルテ3』を購入。
松本、安曇野、美ヶ原、上高地・・・などの地名だけで美しい景色が目に浮かぶ。そして銘酒「信濃鶴」「福源」「天法」「かたの桜」と、「信濃鶴」以外は初出だなとWEB検索。おまけに高校時代に熱中したロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』がでてきてはこの本に惹かれたのは理屈ではなく感性なんだと。
地域の病院で最後まで頑張るんだと思っていた主人公が、大学病院に戻る決意をしてこの巻は終わる。地域医療も難しいなと・・・・
そんな1月3日にNHKBSで名田庄診療所の中村伸一さんをモデルにした
ドラマ「ドロクター」の再放送があった。hataboさんと同期かあるいは
すこし先輩かと思いながらみた。ココにも地域医療の典型が。
MSN産経ニュースからコピペ
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『神様のカルテ3』夏川草介著 小学館
栗原一止(いちと)は、信州にある「24時間、365日対応」の本庄病院で働く30歳の内科医。秋9月、新しい内科医としてやってきた小幡奈美先生は、経験豊富なうえに腕も確かで研究熱心、一止も学ぶべき点の多い医師だ。しかし彼女は、治ろうとする意欲を持たない患者に対して、まともな診療をしないのだった。抗議する一止に対し、小幡先生は「あの板垣先生が一目置いているっていうから、どんな人かって楽しみにしてたけど、ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じゃない」と言い放つ。さらに、老齢の患者をめぐる大きな試練が、一止を待ち受けていた。「私は、医師がどうあるべきかを、考えることすらしてこなかった。懸命でありさえすれば、万事がうまくいくのだと、手前勝手に思い込んでいた。だが医療とは、そんな安易なものではない」。転機を悟った一止は、より良い医師となるため新たな決意をするのだった-。
水のように流れる名文が波瀾(はらん)万丈かつ豊かな物語をより味わい深いものにしています。信州の美しい風景描写も、温かさも、ユーモアも健在ですが、いままでより少しだけビターなのは一止の成長の証しでしょう。今作では、患者も医者も誰も亡くなりません。「人が死なずとも、人の心を動かせる物語にしましょう」が著者と私の合言葉でした。生きていくのに必要なのはただ歩みを止めないことだけ。「前向きに生きたい」「明日からは頑張りたい」そう思っている方への特効薬をお届けします。(小学館・1575円)
小学館出版局文芸・幾野克哉
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PS 1時から、ケーブルテレビの日本映画チャンネルで映画「神様のカルテ」が放映された。本を読んでいるから分かるのだろうなという程度のできばえ。いつものことながら、原作を先に読んでしまうと主人公のイメージが先にあるので映画の人物との差がしんどい。
2013年10月28日記
結局、3冊とも購入し、何回も読み直したくなる本の一つになりました。何回も読み直せるのは、文庫本の解説に土橋菜穂子さんが書いているように、「心地よい物語だなぁ・・」ということにつきます。
文体も好きです。特に『神様のカルテ2』のプロローグはいいなと思います。また2では患者や先輩医師が亡くなる場面がいくつかでてきます。どれも愛する身内を無くした人しか書けないような文章が続きます。いつも息子の臨終の場面を思い出し泣きながら読んでいます。
栗原一止の妻 榛名は純粋で可愛くて素晴らしいのですが、ふとこれは男が妻に求める理想像だなと思います。ちょっと現実離れが大きすぎるような、しかし、それがこの小説の「心地よさ」なのかもしれません。